にそべげ

個人の感想です。

2月 まとめ

EastWord

マザー味のある2Dドットなレトロ風アドベンチャーゲーム。 ゲームとしては無口なジョンと謎の少女サンの二人を切り替えて世界各地のダンジョンを攻略していく。

システムとしては端的に言うとゼルダライクなアドベンチャー。 各地で手に入れた道具、アクションを利用して謎を解いたりボスを倒してダンジョンを攻略していく。

注目すべきはやはりその2Dドットで描かれたピクセルアート。 キャラクターのアニメーションはもちろん、世界各地のビジュアアートはかなり緻密。 本当に細部まで書き込まれているので感嘆するしかない。 このレベルのビジュアアートがゲーム終了まで品質を保ったまま提供され続けるのは脅威である。

反面ゲームとしてはどうかというと、謎解きはかなり簡単だし、アクションもそこまで面白いほどでもない。 どちらかというと単調だったり冗長に感じる面もあり、個人的にはもう少々ここらへんは凝って欲しかってところでもある。*1 ストーリーについては懐かしさや優しさを感じるビジュアルに反して少々薄暗い雰囲気をもっている。ここらへんは少しマザーっぽさを感じなくもない。 ストーリー全体としては少々説明不足と感じるところもあり、もう一声説明がほしかった。

全体的にはビジュアルは群を抜いているものの、全体的には少々物足りなさを感じるゲームだった。 ただそれで不足しているというほどでもないので、ビジュアルに惹かれたなら値段も安いしやってみる価値はある。

ホグワーツレガシー

あのハリーポッターシリーズの世界でのオープンワールドRPG。 原作の100年以上前の世界なので原作のキャラクターは基本的には存在しないが、 プレイヤーはホグワーツ魔法学校の編入性として学校生活を楽しむ。

ハリーポッターシリーズにあったファン要素は細かく取り入れられていて 映画には登場しなかったが、原作に登場していたキャラクターも登場している。

ゲームとしてはわりとオーソドックスなオープンワールドゲームという感じで とりたてて悪い点というのはない。そして特別優れた要素という可もなく不可もない作り。 アクションとしてもオープンワールドRPGとしてみると及第点レベルのアクションであり、 ハリーポッターの魔法を使った多様なアクションは表現できている。

オープンワールドゲームで重要となるサブクエスト、探索要素、ミニダンジョンというのは大量に用意されていて、 スカスカな空間をただ歩くだけということにはならない。これも及第点レベルといえる。

ただし探索要素については単純なものが多く、 ボリュームはたしかにあるものの一つ一つは単純すぎて飽きやすいという状態になっている。

前述のとおり総合的には本作はよく言えば及第点レベル、悪く言えば特徴も薄いオープンワールドゲームといえる。 しかしハリーポッター世界をベースに今作オリジナルの世界観をしっかり作れたのも確かであり、 ハリーポッターの世界を大量のボリュームで表現できたというのが本作の何よりも優れた点だろうか。 ハリーポッターの世界が好きな人ならフルプライスではあるものの十分に購入する価値のあるゲームだった。

いっき団結

サンソフトの有名ないっきをヴァンパイアサバイバー風味にして16人マルチプレイヤー対応したゲーム。 ヴァンパイアサバイバーライクなので大量に出てくる敵を味方と協力して倒していく。 成長要素もあり、メイン武器とサブ武器、自己パラメータの強化など基本的な要素はそろっている。

本作のユニークな点としてやはり大人数でのロールを意識したヴァンパイアサバイバーライクな協力ゲームという点であり、 各プレイヤーは使用キャラクターそれぞれの固有の役割を理解し、しっかりこなしていくことが攻略のカギとなる。

プレイした感想としてはロールをかなり意識する必要のあるバランスと、本作の移動操作しかできない仕様があまり噛み合っていない印象だった。 本作は16人という大人数での協力プレイ前提のゲームであるが、当然プレイヤー間でゲーム攻略する上での知識レベルは均一にならない。 通常の協力プレイゲームでは、知識、スキル不足なプレイヤーは逆に知識、スキルのあるプレイヤーがカバーできたりするのだが、 本作では強いロール性、またプレイスキルが反映されにくいデザイン故にカバーすることがほぼできない。 具体例を挙げれば初心者ヒーラーがいたとしても上級アタッカーはヒーラーの役割は決してカバーできない。 ほかにもチーム前提での共有リソースがあり、その運用が重要になるが知識のない人の選択いかんでは無駄に共有リソースが使われてしまい、いないほうがましになってしまう展開も起きえる。

さらにデザイン的によろしくない点として16人協力ゲームを名乗っているが、中盤までは4人チームで同時に別の場所でバラバラと攻略を進めるというデザイン故に実質的に1人の責任の重さが1/16になっていない。 さらにチーム間でのカバーというのもほぼできないので、一つのチームが全滅した場合は全体が攻略不可能な状態になるというデザインになってしまっている。

故に前述の知識のないプレイヤーがいた場合のカバーもしにくくなっており、チーム分けの状態如何ではよくわからないが、他チームがいつのまにか崩壊して攻略失敗というパターンもしばしば発生する*2。 おそらくだがいっき団結というタイトルにプレイヤーが期待したのはこんなロール性で協力プレイを強いられるバランスのゲームではなく、もっとライトに好き勝手に敵を倒すだけのゲームだったのではないかと思う。

たしかにパッと見は面白そうな要素を組み合わせたゲームではあったのだが、そもそもこれをいっきというタイトルでやることと、 実際のゲームでの各要素の調整がうまく噛み合っておらずゲーム制作の難しさを感じる作品だった*3

*1:逆に誰でもクリアできる良さもある

*2:他チームのカバーはどうやってもできないのでストレスしかない

*3:個人的にはコンセプトの時点で難しいと思っていたので然もありなんではあった。あと制作がサンソフトだしね・・・