Valheim 感想
2021/2/3にSteamでEarly Accessで発売されたVelheimの感想(執筆時点で70時間程度のプレイ) 簡潔に言うとマルチプレイがかなり面白いので一緒にやる仲間がいるならかなりお勧め。
どんなゲームなのか
この記事を読むとこのゲームの概要はわかる。 北欧とバイキングがテーマのサバイバルゲーム。
以下は感想。
サバイバル感のないサバイバル
このvalheimはサバイバルゲームと評されて紹介されていることが多い。 が、実際やってみるとvalheimはサバイバル要素はかなり薄い。というか簡単に作られている。 どういったところが簡単かというと
- 食事要素はあるが一切食事をしなくても別に死なない
- 一度設置した建築はいつ壊しても、建築に使用した資材が100%帰ってくる*1
- ワープポータルが早い段階で設置可能で移動も比較的楽
結果としてvalheimはサバイバルゲームと評されるくせにサバイバルするだけなら何もしなくていい。
またサバイバルゲームにありがちな、何をすればいいのかもわからないというのもない。 valheimの場合は何をすべきかというのがチュートリアルキャラクターから丁寧に提示されるし*2、 大目的として各地に潜むボスを倒すという明確な目標が与えられる。とりあえず素材集めて拠点建築したけど何をするんだと途方に暮れるということはない。
このように既存のサバイバルゲームと比較するとかなり手厚く優しいつくりのゲームになっている。
valheimはマルチプレイ対応のオープンワールドRPG
このゲーム結局何が楽しいのかというとサバイバルをするのが面白いというよりも、 仲間と協力して素材を探索して装備を強化、最後に各地のボスを倒していくというところが面白い。 大目的として各地のボスを倒せとか言われる時点で察するべきだが、このゲームはサバイバルゲームではない。
サバイバル要素として挙げられがちな食事、拠点づくり、アイテムクラフトは存在するが 食事は一時的な最大HP上昇のバフ、拠点づくり、アイテムクラフトも強力な武器、食事を作るための過程である。 要はサバイバル要素と言われた部分はすべてプレイヤーの戦闘面の強化のための導線でしかない。
結論としてはvalheimはサバイバル要素を取り入れたオープンワールドRPGという感想。 実際各所のレビューをみると評価されているのはこのRPGとしての面白さが評価されているように見える*3。
キャラクター成長
valheimには各キャラクターにはスキルレベルというステータスが存在し、対応する行動を繰り返すたびに経験値が得られてスキルレベルが上昇するという仕組みになっている。具体例を挙げると剣を振れば剣スキルがあがっていくし、走れば走りスキルのレベルがあがる。スキルレベルは伐採、ジャンプといった行動にまで存在するので、そこらへんをうろついているだけでも何かしらのスキル経験値が得られるようになっている。
この仕組みのお陰で素材収集の行動や探索時にもその行動が無駄だと感じにくいようになっている。 たとえ探索の結果何も得られなかったとしても、スキル経験値は確実に蓄積されている。
また行動ごとに経験値が得られるのでプレイヤーごとの得意なスキルというのが分かれる形になる。 スキルレベルによってできること、できないことというのは存在しないので明確なロール分けをするほどの差は生まれないが、プレイヤーごとの個性が反映される仕組みにはなっている。ただスキルレベルが高くなるとそれなりに大きな差にはなってくるのでマルチプレイ時の個性付けとしての面白さにはつながっている。
未知への冒険
RPGの面白さにはキャラクター成長もあるが、ワールドマップを歩いていろいろなダンジョンや町を探索して回ることもRPGの面白さの要素の一つとして挙げられる。 RPGでなぜ探索が面白いかというと色々あるとは思うが、個人的には新しい武器、アイテムがあるからだろう。 valheimの探索はまさにこの新しい武器、アイテムを獲得するための導線としてきちんとデザインされている。 未知のバイオームには必ず未知の素材があるし、敵キャラは必ず素材をドロップする、 そしてそれら素材がキャラクターの強化に必ずつながるようにデザインされている。 そのためプレイヤーは率先して探索をするし、未知の敵を倒してドロップ品集めに躍起になる。
valheimはマインクラフトと同様にワールドはランダム生成されるタイプなので、どこにどんなバイオームが存在するかは誰も知らない。 目的の素材を求めて危険を冒しながら誰も知らない未知の土地を探索するというのはまさにRPGで表現すべき冒険であり、突然の敵の強襲を退けたり、偶然見つけたダンジョンの攻略をするのは非常に面白い。
拠点建築
よくオンラインRPGでハウジングなどの要素があるが、オンラインRPGのハウジングと比較するとvalheimの建築要素はかなり良くできている。 まず拠点はいつ、どこにでも建てられ、ある程度の制約はあるものの家財や建物の建築自由度は高い。 地形をある程度弄れるので建築に向かなそうな場所でも無理やり平地にして家を建てるなんてこともできる。
さらに一度作成した建築を壊した際には使用した資材が100%帰ってくるので、 とりあえず建築しておいて気に入らなかったら壊して別のものを建てるといった行動もとりやすい。
建築は既存パーツ(壁、床、天井、柱)等を組み合わせて作るようなよくある仕組みで誰でもある程度の建物は簡単に作れる。 マインクラフトのようにボクセルを一個一個配置できるほどの自由度ではないがパーツを組み合わせるだけでも 想像以上に凝った建物を作れるようになっている。
この自由度と簡易さの塩梅が非常に優れているのがvalheimの拠点づくりのシステムである。
ほかにもボスとの戦闘場所に予め砦を建てておいて戦闘に臨むといったことも可能であり、 実際に戦闘中の補給や休憩施設、また単純な壁としての利用といった戦闘の役にも立つようになっているのが面白い。
総評
そして評価されている要素を見てみると実は一つ一つの要素は特別新しい要素というのは無い。 だたしそのいくつもの要素が適切なレベルでデザインされており総合的な完成度が非常に高いというタイプのゲーム。
一般的なオンラインRPGのように未知のエリアが見知らぬ人に踏破されてしまっているといったこともないので、気の合う仲間内でのんびり協力しながら未知の世界を冒険できるのが非常に楽しい。 まだアーリーアクセスながらもコンテンツ量は現段階でも十分あり、さらにアップデートでコンテンツはより充実していくだろう。 バグも現時点で少なめで、致命的なバグはあってもどんどん改修されている印象。
惜しむべきはマルチプレイ前提のバランスのためソロプレイは厳しいのと、 マルチプレイ時のプレイヤー間の同期処理のパフォーマンスがよくないため 多数のプレイヤーが一か所に集まるとカクツキやラグが非常に大きくなってしまうという問題がある。
ただ非常に売れているのと、開発もかなり積極的にバグフィックスや調整を進めているため、今後のアップデート含めてお勧めの作品だろう。