にそべげ

個人の感想です。

3月まとめ

ERDEN RING

発売前からコアなファンから勝手に色々ストーリーを絞殺されていたフロムソフトウェアが送るオープンワールドRPG。 システム的にはダークソウルの系譜の作品であり、もはやほぼダークソウル4と言っても問題ない。

ダークソウル4と表現したが、当然エルデンリングにはダークソウルとは違う点もかなりある。 その最大の点がオープンフィールドであり探索、攻略の自由度がはるかに増加したという点。

ダークソウルでもある程度の攻略順の自由度というのは存在したが、 エルデンリングではこの自由度はそれらとは比較にならないほど大きい。

やろうと思えば必須と思われたボスの攻略もスキップできるし、 後半で手に入れられるような強力なアイテムを序盤から取りにもいける*1

またその広大なフィールドには数多くのイベント、ミニダンジョン、アイテムが用意されているため どこかで攻略に詰まってしまっても別の場所を探索することでキャラクターの大幅な強化が可能だったり 取れる戦略も増やすこともできる。

それまでのダークソウルでは攻略に詰まってしまった場合にとれる選択肢が最終的にはレベリングだったが、 エルデンリングの場合はレベリングというよりは探索になる。 探索するのに付随して自動的にレベリングもされることになるので 初心者が詰まった場合に退屈なレベリングに飽きてしまうという問題をかなり緩和できていると言える。

オープンフィールドも下手をすると単調な特徴もない荒野を駆けるだけのものになりがちだが、 本作は特徴的な地形が多数用意されておりイベント、アイテムの配置密度がかなり高い。 怪しそうな場所にいけば何かしらのイベント、アイテムは用意されているので探索する気がなくとも様々な発見があるし、 注意深く探索をすれば傍目にはわからなかったような発見もある。

これらの過剰とも思えるようなオープンフィールドに用意されたイベント、アイテムの数々と本作の高難易度な敵達がうまくかみ合っており、敵を倒せない → 探索 → ボスを倒せる装備を得る&レベルがあがる → ボスが倒せる という流れが綺麗にできている。 強力なボスを倒すという明確な目標があるので強いアイテムを探す探索のモチベーションがあがり、 また強いアイテムを得て強化されたことでより強い敵を探し求めるというサイクルが綺麗にできている。

全体的には厳しめなバランスながらも多様な攻略法が用意されているので高評価なのだが、 後半くらいからは序中盤までのイベント密度が薄くなり敵も少し単調さが出てきているように感じた。 またボリュームが多いというのは素晴らしいことなのだが、周回プレイを想定した時にはそのボリュームが多すぎるために 周回プレイをする気がなくなるというデメリットも生じてしまった。

ただこのマイナス点もあくまで序中盤までが異常によくできていたことに起因することであり、ボリュームが多すぎるので 周回プレイが難しいというのも非常に贅沢な悩みである。*2 ダークソウルなどのフロムゲーの文脈を理解しているという前提はあるものの今年のゲームのベストになってもおかしくない名作だった。

*1:とはいえ初見攻略では気づきにくく、事前知識も必要になる

*2:要素を絞れば周回プレイ自体は実はそこまでかからない